SSブログ
前の10件 | -

介護者に「要介護者の死を受け入れらるか」を確認することの重要性について [番外編]

 先日、埼玉県で介護が終了した直後の介護者(親族)が在宅医療チームに対して猟銃を使って殺傷する事件が発生しました。
 報道から断片的な情報が集まってきています。しかし、介護をしたことのない記者さんたちが作った記事のため、どうも情報として不適切な事項も混ざっています。
 今回は、報道の内容について、介護者の視点からの意見を加えつつ、表題の大問題について意見を述べたいと思います。

【病院で診察順番について優先する行為について】
 病院で診察や検査のため順番待ちをするのは、いつもの光景です。しかし、コロナ後は事前準備(消毒や十分な安全間隔の確保など)のため、より一層時間がかかるようになっていると思われます。
 高齢者で具合が悪い人の場合、車椅子などで待つにしても長時間になるとそれだけで具合が一層悪くなる場合があります。
 一般的に介護者は、常に介護をしている場合、要介護者の状況変化を容易に予測したり、悪化した状況を把握できるようになります。
 一方、看護師としては、容易に診察・検査の順番を変えることは出来ないため、押し問答が発生したと思われます。
 報道では、いかにも悪人のように報じられていましたが、病院ではよくある光景です。病院側も困っていたことは容易に想像できますが、最終的に優先扱いにしていないのであれば、病院側もスジを通しているので問題があるとは思えません(警官が出動するような騒動になっていたなら話は別ですが)。
 そもそもの話として、個人情報に当たるこのような情報をベラベラと記者に話す医療関係者は、自身の言動(記者に対する情報提供)は医療関係者として許容されないことを認識するべきでしょう。そういう意味ではこの病院も診察や検査に来ていた患者や患者の家族に対して問題行動をとっていたことが推察されます。

【在宅介護の困難さについて介護者と十分に話あったのか?】
 本題に入る前に一番気になっているのは、今回事件を起こした介護者とケアマネージャーや医療関係者が十分に在宅介護の困難さについて話し合ったのか、不明な点です。
 通常、ケアマネージャー(介護支援専門員)は、要介護者のことだけを考えていることが多いです。介護者は、「介護して当然」「介護士や医療関係者の出来ないことは介護者が全部やるべき」と言った感じになりがちです。そのために老老介護では介護が破綻して頻繁に事件が発生しています。
 経済的な理由や介護に対する考え方などもあり、在宅介護以外の選択肢を最初から拒否する場合もあります。
 また、在宅医療チームが入っている場合には、在宅医療チームが見取りまで行うことを前提として活動するために病院や特養などへの選択肢が提示されないケースもあると考えられます。
 今回のケースでも介護者は、医療(介護)相談窓口を頻繁に使っていたようですから、そういう意味では、介護者も自分一人で介護することの限界を感じて、救助シグナルを周りに発信していた可能性が考えられます。
 現状では、介護者の悩みを相談できる窓口や介護者の介護限界を見極める制度が無いため、最終的に介護者の精神的な破綻を見落としたのでは無いかと私は考えています。

【要介護者の死を受け入れられるか?】
 家族介護の場合、要介護者の死を最終的に受け入れることができるかどうか、が非常に重要になります。介護をしていない家族にとっては、要介護者の死は、客観的に見つめることが出来ます。一方、最後まで介護をしていた介護者は、多くの場合、自分を責めることが多いです。
 家族介護は、どこまで行っても素人介護です。介護士や看護師などは、たくさんの事例に接して経験を積むことができますが、家族介護の場合には、多くは最初で最後の経験となります。その重圧は想像を絶するものであり、この点を厚生労働省も医療関係者も介護関係者も重大な事案であると理解する必要があります。
 そもそも要介護者の死を受け入れることが出来ない人(介護者)に介護を委ねるべきでは無かったと私は考えています。この部分の説明をケアマネージャーが介護者にした時に激しく介護者が反発したり、罵ったりするようなら、要介護者を医療施設や介護施設へ移し、在宅介護(家族介護)は終了させるべきだったと思います。

それでは本題に入ります。
【介護者に対する教育・情報提供制度の拡充が必要】
 現在、介護者に対する行政レベルでの具体的な支援制度は何もありません。せいぜい相談窓口を設置するくらいでしょう(と言っても愚痴を聞く程度の機能しかない)。
 私は、もっと根本的な部分を整備しなくてはならないと考えています。
 具体的は以下の通りです。
1)家族介護を始める介護者は必ず、各地方自治体が主催する研修会に参加すること。
2)研修会では、介護制度の仕組み、介護期間(平均5年)の病状の変化、要介護者の死についての説明を行う。
3)研修会は少なくとも年1回は実施し、介護状況が似たようなグループ毎に実施する。
4)介護者がいつでも介護をギブアップできることを伝え、その場合には受け入れ施設があることを説明する。
5)相談窓口を設け、定期的に相談できる体制を拡充する。相談窓口は支援制度と連動させる。
6)ケアマネージャー、介護士、看護師、医師、相談員なども介護者を支援する体制を整備する。

 一般の方にはピンと来ないと思いますが、ケアマネージャー、介護士、看護師、医師、役所などに共通するのは、要介護者のことだけを考えている点です。つまり、家族介護の場合、介護者のことが置き去りにされ、その結果、介護者が精神的、肉体的に破綻するとそのままドミノ倒しで事件が発生します。
 老老介護の場合に頻発する事件の多くは、家族介護者の異変に気が付けば防げた場合がほとんどです。
どうして気が付かないかと言えば、自分たちの労力が増えて、面倒なことになるからです。多くの場合、在宅介護を諦めて、特養や病院などに要介護者を移さなければなりません。
 一方で介護者は、自分の体の一部を剥がされる思いになり、必死に抵抗します。
 だからといって放置しても既に介護者の介護能力を超えている状況では、いずれ介護破綻となり、その結果が刑事事件として表面化することになります。

【今後も同様の事案が増加すると思われる】
 今回は、介護者が猟銃を所持していたために大きく報じられましたが、仮に猟銃を持っていなかったとしても同様の事件を起こしていたのではないか、と私は考えています。
 そもそも介護者に全てのしわ寄せが行くような現行の介護制度では、こういう事態は今後も発生すると予見できます。今回は、一番弱い立場のはずだった介護者が武器を手にしたために、結果として、相対的に一番弱い立場となった医療関係者が犠牲になったのだと思います。
 要介護者が700万人に迫る状況であり、かつ、在宅の要介護者(要支援を含む)は400万人もいます。要介護者には最低一人の介護者が必要となります。その介護者を家族が担う場合、相当の知識や覚悟が必要となりますが、いまだに研修制度も相談制度もほとんど実効性のあるものになっていません。

 早急に家族介護の場合の介護者(家族介護者)に対する研修制度や支援制度を充実するべきだと思います。  さらに老老介護に関しては、介護者の能力や限界を見極めて早めに家族介護を終了させる努力を関係者を行うようにするべきです。  老老介護は、逃れることができない奴隷制度のような面があり、事件に発展する可能性が高いことを認識し、原則として法律で禁止するべきだと私は考えています。

 亡くなった医師の無念を思いつつ、この記事が将来の介護に関わる事件を防ぐための一助になることを期待しつつ投稿します。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

ヤングケアラーと公的過小支援体制の問題を検討する [番外編]

この記事は、ヤングケアラーが注目されつつあるようなので、その課題を検討します。

(ヤングケアラーとは何?)
 ヤングケアラーとは、主に未成年者が同居親族や近隣居住者(親族で無い場合もある)の家事、介護や医療支援等を行っている場合が該当するようです。

例えば、厚生労働省では、以下のように定義しています。

法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている児童とされています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/young-carer.html

(文科省、教育委員会からの通知により、学校関係者による児童、生徒に対する本格的な調査)
 そもそもヤングケアラーという言葉や意味を知らない教職員や教育委員会関係者もまだまだ多数を占めています。当然、自分の担当しているクラスや学校に存在していることを認識している関係者はほとんどいません。
 家庭状況の把握の際に最もシビアな情報になるため、児童、生徒が教職員や市区町村の担当者をよほど信頼していない限り、情報開示してもらえない可能性が高いことも認知度が低い原因と考えられます。
 また、介護の相談を教員にしても、無神経な応答しかしない教員が存在していることも児童・生徒が情報を隠す深刻な原因となっていることもあるようです。


 今後、本格的な調査が始まれば、50から70%程度の捕捉率で捕捉できるようにはなるでしょう。
 一方で捕捉されない児童、生徒の状況把握をどのようにして対処するかが課題になるでしょう。


(ヤングケアラーをリストアップした。それで?)
 ケアマネジャー等の介護関係者や学校関係者の努力により、ヤングケアラーの把握ができた、としましょう。
 対象児童、対象生徒が把握できたのは、良かったです。
 では、次に何をするべきでしょうか?

 もしも、保護者に児童生徒に対する介護作業を中止するように要求した場合、保護者の介護負担が過重になり、介護離職や一家離散、家族崩壊、さらに、もっと恐ろしい刑事事件になる可能性もあります。
 そもそもなぜ、未成年の児童生徒がヤングケアラーとして長時間、家事、介護、医療支援などをやっているのでしょうか? 理由は、公的支援制度が過小でほとんど機能していないためです。
 例えば、要介護2となった要介護者が在宅介護となっても毎日家事ヘルパーが来てくれる訳ではありません。自己負担する金額もかなりの高額となります。従って、所得が十分で無い場合には利用できません。そして、これが、ヤングケアラーを生み出す最大の理由となっています。
 ヤングケアラーとは、最もひずみが弱い部分に集中した結果であり、結局、公的支援が受けられないから、未成年者が対応することになっている訳です。


(情報連携条例(法制)を制定する必要性)
 個人情報保護の観点から、病院などの医療施設、ケアマネージャー、市区町村の介護担当、市区町村の教育委員会、学校関係者、地元警察署、地元消防署などは、対象となるヤングケアラーの世帯の情報について情報共有することは現在の法制度では、認められていません。情報開示して情報連携することは出来ない状態となっています。
 もちろん、「事件」が発生すれば、対応することになりますが、それまでは何も出来ない状態となっています。
 例えば、教員が生徒の異変に気が付いて教育委員会に連絡しても、そこから先の情報連携は出来ない状態です。その世帯に介入するには、教員に与えられた情報が少なすぎるし、法的根拠も貧弱と言えるでしょう。また、介護が必要な家族などに対する公的支援制度がほとんど機能していないので、その世帯の保護者からは、介入を拒絶されるでしょう。


(学校関係者は、地域包括支援センターと連携する必要がある)
 介護関係に関して言えば、市区町村には、地域包括支援センター(名称は地域毎に異なることもある)があり、要介護者が介護認定されていれば、その情報が集まる仕組みとなっています。
 学校関係者は、まずは地元の地域包括支援センターと連絡会議を定期的に開くべきでしょう。
 そして、介護等を行っているヤングケアラーの児童生徒と支援センターの担当者が個別面接する機会を設ける必要があると思います。
 まずは、介護制度が利用可能かどうかを調べ、利用できそうなら保護者との面談につなげていくべきでしょう。また、制度利用が出来ない場合でも他の公的制度が利用できないかを検討することは重要でしょう。


(児童・生徒が1日に実施可能な介護時間はどのくらいか?)
 そもそも児童・生徒が自分の家族のためとはいえ、児童・生徒が介護作業を実施することは、児童労働を禁止した条約や児童虐待防止の観点から望ましいこととは言えません。
 しかし、現実的な対処としては、1日の介護時間(家事作業・医療支援作業を含む)を制限することが望ましいと思います。
 では、どのくらいの時間が可能となるかですが、私は、最大で4時間が限度と考えています。これは、学校への通学、睡眠時間の確保、宿題やトイレ、入浴などの時間も必要です。特に休憩時間が無ければ、継続的な介護作業、介護支援作業は難しいからです。
 ただし、4時間というのは、継続的に可能な時間ではなく、あくまでも短期間の場合であり、本来は、1日2時間以内にするべきでしょう。
 つまり、児童・生徒の負担が2時間を超える部分については、公的支援により介護支援等が行われる必要があります。


(まとめ)
 日本の現状を考慮に入れると下記の通りとなります。
1)学校関係者は、教育委員会の指示に従い、学校に通学する児童・生徒の家事従事、介護、医療支援等状況、いわゆるヤングケアラーの状況を把握する。そのために必要な広報活動、情報管理体制、守秘義務等(むやみに他児童、他生徒が知ることが無いようにする)について必要な整備を行う。

2)地域包括支援センター、学校関係者、教育委員会、市区町村の介護担当課などは、適切な頻度で調整会議を招集し、必要な情報交換を行う。必要に応じて、病院関係者、警察、消防、保健所等にも参加してもらう。

3)公的制度について支援体制をさらに充実する。特に児童・生徒の介護時間(家事・医療支援を含む)が1日4時間を超える場合には、公的支援により介護時間が4時間未満になるように強力に支援する。また、1日4時間未満の場合も相当な支援体制を整備し、介護時間が1日2時間を超えないように努力する。


(最後に)
 まずは児童・生徒が相談できる体制を整備するべきでしょう。そして、相談に来た児童・生徒を追い返したり、ひどい言葉で傷つけたりしないような体制を構築しておくべきでしょう。
 相談にあたる教員等が児童、生徒から信用されていないと必要な情報を引き出すことは難しいでしょう。相当信頼できる教員等が、場合によっては教頭や校長が直接面談するような体制を整備することが最初は重要だと思います。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

車椅子で階段を利用することのリスクを検討する [番外編]

 車椅子(押し車、歩行器、ベビーカーを含む)を利用して電車を利用する際に最大の問題は、エレベータが近くに無い場合、階段を利用しなければならなくなることです。
 今回は、この件について多角的に検証してみたいと思います。

(駅に階段しかない!)
 お金がかかるから仕方の無い面もありますが、日本の鉄道駅にはエレベータが設置されていないケースが今も多いです。例えば、東京のJR御茶ノ水駅は、すぐ近くに大学病院が2つもあるにも関わらず、現在、やっとエレベータが設置できる予定になっています(現在、必死で工事しています)。
 後付けのエレベータは、設置場所が制限されます。その結果として、駅の端に設置されたり、改札口からの距離が非常に長くなるケースもあります。
 そうすると、結果的に階段を利用して昇降したい状況が発生します。


(移動機材を階段を使って昇降させる際のリスク)
 ここから車椅子、歩行器、ベビーカーなどを総称して移動機材と呼びます。
 移動機材を階段を使って昇降させる際のリスクには、以下の課題があります。
1)移動作業の際に機材を破損させる可能性がある。
2)移動作業の際に乗車している人を転落させて怪我させる可能性がある。
3)移動機材で一緒に運んでいる荷物類を破損させたり、盗難にあう可能性がある。
4)移動作業の際に作業者が転落する可能性がある。
5)移動作業の際に転落等が発生した場合、付近にいる他の客も怪我をする可能性がある。

 上記について、簡単な解説をしておきます。
 例えば、車椅子に乗車した状態で車椅子を持ち上げる場合、そもそも可搬できないタイプの場合、車椅子が破損する危険があります。移動機材が破損した場合、そのまま転落事故になるでしょう。転落位置に作業者や他の客がいれば、巻き込み事故になるでしょう。
 また、通常、要介護者の荷物もザック等に収容しきれない場合、移動機材に引っ掛けて持ち歩きます。作業人数が足りない場合、荷物は先または後で移動させることになり、その間、置き引きにあう危険があります。

(事故の法的責任)
 私は弁護士ではありませんので、私見ですが、上記のような事故が発生した場合、作業者には業務上過失傷害罪などの可能性があるのでは無いでしょうか?また、民事訴訟の対象には当然なるでしょう。


(車椅子もベビーカーも意外と重い)
 人が乗車した状態の車椅子やベビーカーは意外に重たい状態になります。

人の体重+移動機材の重量+外せない荷物の重量

などがあるからです。
外せない荷物とは、例えば、酸素ボンベや生命維持に必要な可搬式医療機器などになります。


(階段での移動は、作業者にとってもかなり危険)
 一番重くなる電動車椅子を想定した場合、(例)
電動車椅子の重量 50kg
乗車している人  70kg
外せない荷物   10kg
     合計 130kg
となります。電動車椅子が重たい理由は、モーターと電池が重いこととその重量を支えるために車椅子自体も頑丈な作りになっているためです。
これが、手押し式の補助者限定型の車椅子になると10kg前後まで軽くなります。
それでも乗車した状態の車椅子を階段で昇降させようとすると4人がかりでも一人25kg程度の荷重に対応する必要があります。


(駅員は消防隊員のような訓練を受けていない)
 駅員や市役所等でも通常の職員は、消防署の消防隊員のような厳しい訓練を受けていません。消防隊が非常に人の搬送に慣れているのは、平時からそのための訓練を欠かせないからです。
 一方、そういった訓練をしていない駅員や公共施設の職員が同じ作業を行う場合、かなり危険な業務となる可能性があります。特に駅の階段などの移動量は、通常のビル2階分の高さが発生することあり、階段途中で体力が無くなった場合には、移動中の関係者全員が危険な状況になると思います。


(適切な運用がされているとも思えない)
 階段支援のもう一つの問題は、作業管理体制が整備されていないことです。
 現状では、事故防止、そして転落時の被害軽減のための手順が十分に整備されているとは言えない状況です。
 例えば、転落時のために乗車している人や作業者がヘルメットを被る、転落防止ロープを使用する、周辺警備を実施する、などは現実にはできていません。善意だけではいずれ重大事故が発生します。


(安全第一なら、階段しか無い駅は利用を避けるべき)
 上記のようなさまざまな困難があり、事故が起きた時には、要介護者の状態がより悪化することになるからです。
 冒頭の例で御茶ノ水駅を想定した場合なら、近くの神田駅や東京駅などのエレベータ設置駅を利用して乗降し、そこからタクシー等で病院に向かう方が望ましい、と私は考えています。(補助者が健脚なら徒歩で移動も可能です)


(階段での昇降は非常手段と考えるべき)
 階段での移動機材の昇降は、要介護者だけでなく、作業に従事する駅員(職員)自体が死亡事故となる可能性が高い作業となります。東京の場合、駅階段は混雑し、作業中の下側も平気で通行してきます。
 他に回避する手段が無い場合の非常手段としてのみ使用するべきであり、平時はより安全な経路を選択するべきだと思います。


(お金がその分かかるが安全のため)
 経済的な理由からタクシーは使いたくない、余計な時間はかけたく無い、などのこともあると思います。一方で階段での事故はかなり多いので、できるだけ避けるべきだと思います。


(階段での作業に、他人として協力するなら十分に本人に確認してから)
 通りがかりの際に、駅などで困っている人を助けたい場合の注意もあります。
 ベビーカーなどで階段の昇降を助ける場合にも注意が必要です。手で持つ場所が不適切ならベビーカーの部品が取れてしまうからです。車椅子も同様です。
 また、子供でも乗車中なら一旦降車してもらうべきでしょう。転落した場合の被害を最小限にするためです。安全確認も作業者全員で注意深く行う必要があります。
 そういう意味では、移動機材に接触する作業は、駅員(職員)に任せて、交通整理など接触しなくて良い作業だけを行う方が良い場合もあります。


(要介護者の増加により、階段支援は今後難しくなる)
 要介護者の人数が現在もどんどん増えています。公共施設における階段支援には、専用の昇降機やロボットなどが配備された場合には、それらを利用するべきでしょう。一方で、人力での階段の昇降支援は今後難しくなると私は予想しています。
 それは、要介護者の人数が増加し、それに伴い、階段事故が発生するようになるからです。
 昇降支援中に深刻な階段事故が発生し、要介護者や作業者が死亡するような事態となれば、多くの事業者は、階段支援を中止したり回避するようになるでしょう。


(最後に)
 私も介助者として車椅子を数年運用していましたが、常に事前の経路確認(ルートチェック)をしていたので、要介護者に公共施設の階段を使わせたことはほぼありません。寺社仏閣でどうしても段差がある場合には、数歩歩いてもらうことはあったかも知れません。
 階段は足の悪い要介護者にとって非常に危険な場所なので、より安全な選択肢があるなら、安全な方を選ぶべきだと私は考えています。




nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

新型コロナウイルスと生活習慣との関係 [番外編]

 新型コロナウイルスが日本国内で感染拡大してから1年3ヶ月が経過します。
 今回は、感染リスクについて検討してみたいと思います。

(他人との接触機会がほぼ無い場合、感染する可能性は非常に低い)
 当初は、感染力の高さから、接触したドアノブなどからもどんどん感染するイメージでした。しかし、1年経過した時点では、マスクと消毒と注意深い行動でかなり制御できるようです。
 スーパーや量販店で他人が触れた商品から感染することも無いようですし、冷凍食品が媒介することも無いようです。(※仮にあったとしても相当可能性は低いと思います)


(オフィスや役所での感染事例もかなり限定的)
 在宅勤務が難しい自衛隊宿舎や警察署、消防署、海上保安庁など集団活動をする場所でも集団感染はほとんど起きなくなりました。
 数的に非常に多い市区町村の役所(役場)での集団感染もほとんど発生していません。
 このことから考察すると、冒頭にも触れたように感染対策が徹底していれば、感染する可能性はかなり低いと推定されます。

(高齢者介護施設での感染事例は散発的な状況)
 高齢者が感染した場合、もともと免疫が低下している状況のため、一気に感染爆発するのではないか?、と懸念されていましたが、散発的、限定的な発生にとどまっています。数十人、数百人の施設全体に感染が広がるような事態にはなっていないので、現在の防疫体制は有効に機能していると推定されます。そういう意味では、リスクコントロールができているのであれば、在宅ケアやデイサービスなども受けた方が良いでしょう。担当のケアマネージャーと相談して感染防止策を講じながら、介護サービスを受けるべきと思います。


(どこで感染の連鎖が続いているのか?)
 謎なのは、未だに感染の連鎖が続いているのに、追跡調査がほとんど機能していないことです。
 私案ですが、例えば、感染した場合、感染者の携帯電話(スマートフォン)の移動記録について、裁判所の許可を取って時間と場所のデータを調べ上げれば、大体どんな行動を取っていたかは分かります。この追跡情報は、究極の個人情報なので、通常は開示不可だと思います。しかし、国家危機ということを考慮すれば、感染者については、全ての行動記録を調べていけば、かなりの割合で、どこで感染したか推定できるでしょう。
 国会での審議でこの点に与野党共に踏み込まないのが不思議です。


(現時点で感染する可能性が高いのは以下の時と推定されます)
 政府広報や各国からの情報からすると、感染するのは以下の条件だと思われます。
(いずれも無症状感染者が一人でもいたらアウトとします)
* 複数人で飲酒し、歓談している場合(店舗に限らない、仲間の部屋に集合しても同じ効果)
* 風俗店や違法風俗など接触、歓談が重要な要素となる場合
* カラオケ店でのカラオケのようなツバが飛ぶ状況、店内での歓談しながらの飲食


(授業はセーフだけど、部活やサークルはリスクが高い?)
 相変わらず、ほぼリモートのみの大学が多いようです。上記の通り、発声しなければ感染リスクが低いので、大学の授業は再開してもリスクは低いと思います。もちろん、合唱などの音楽の授業は避けるべきです。
 一方で、部活やサークルはどうでしょうか?例えば、運動部などは狭い部室でダラダラと仲間としゃべったり、サークルだと飲み会や集合しての打ち合わせも多い気がします。
 防疫意識の低い学生グループを減らす努力を続けられるのであれば、大学も全面的に再開するべきだと思います。(※もちろん、そのためには全ての学生の全面的な協力が必要ですが…)


(具合が悪いなら病院やクリニックに行って診察を受けましょう)
 体調が悪いのに、クリニックや病院に行かない人が相当数いるようです。今後、悪化した状態でガン患者が発見される事例が増えるのではないか?、と専門医が懸念しています。同様のことが他の病気でも起きているようです。
 一年前、病院での感染事例が続発しましたが、現在は防疫体制が整備されたので、通院中に感染するリスクはほぼ無いと言える状況です。通院しない間に、発病した病気が進行し、治療不可となったら非常に不幸だと思います。早期発見、早期治療が日本で医療サービスを受ける最大の利点です。診察しない、検査しない、という判断は、昭和30年代に逆戻りすることを意味します。
 地方自治体も啓発広告をもっと積極的に出すべきでしょう。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

要介護者が発熱(コロナ陽性)で在宅待機となった場合の対処手順(提案) [番外編]

(この記事について)
 この記事は、要介護者(主に高齢者)が発熱したり、コロナ陽性となり在宅待機状態になった場合の介護者(同居親族)の対処方法について検討したものです。なお、個人的な意見ですので、全ての事例に適用できるわけではありません。

(自宅待機が急増した理由について)
 現在、東京都と周辺地域では、発熱したり、コロナ陽性となった場合でも救急搬送できずに死亡する事例が散発的に発生するようになってきています。主な理由は、病院側が入院できない(ベットの空床が無い)ためと推定されています。

(自宅待機の何が問題か?)
 自宅待機の主な問題点は、下記の通りです。
1. コロナ陽性かどうかのPCR検査の判定を受けられない。
2. 肺炎などの病状についての診断がされない。
3. その病状で対処するべき投薬や酸素吸入などの医療処置が受けられない。
4. 急変時の対処が出来ない。間に合わない。

そこで、以下に私が考える対処方法を列記していきます。
なお、必ず実現できる訳ではありません。要介護者の住んでいる地域の実情に合わせて対処を柔軟に変更して下さい。

(PCR検査、コロナ判定)
 発熱したけれども、PCR検査(コロナの感染判定)の診察を受けられずに保健所からの待機指示のまま数日以上放置されるケースが出てきている様です。
 すぐに受診できないと判断できるのなら、診察してくれる病院やクリニックを探す必要があります。
 手順としては、以下の通りとなります。
1)かかりつけ医(病院、クリニック)に連絡し、事情を説明し、コロナ判定の診察をお願いする。
2)かかりつけ医で受診できない場合には、コロナの感染判定をしてくれる医療機関を紹介してもらう。
3)住んでいる地域の医師会に電話して診察してくれる検査所(クリニック)を紹介してもらう。

(受診)
 自宅待機となった場合、問題となるのは、発熱や意識がもうろうとしているのに、受診できないことです。病院側の事情は、入院用のベットと看護師の割り当てができないことが主な理由です。
 別の見方をすれば、「入院しない」、という条件ならCT診断や血液検査などを行ってもらえる可能性があります。
 救急車を呼ぶかどうか迷う状況になっているのであれば、入院できないこと了承することを病院側に伝えて、まずは検査・診察を受けるべきでしょう。
 今回の新型コロナは、医師も驚くほど肺炎などの症状が進行していることがあるのが特徴です。まずは検査・診察だけは出来るだけ早い段階で受けておくべきでしょう。

(薬などの処方をしてもらう)
 検査・診察をしてもらえれば、その症状で効果が期待できる薬を処方してもらえる可能性があります。医師の診断結果を確認の上、効果がありそうな薬を処方してもらいます。

(酸素吸入などは在宅でも可能な場合があります)
 検査・診察の結果、酸素吸入が必要と判定される場合があります。入院できない場合には、在宅で酸素吸入できる体制を整えることで対処可能な場合があります。
 この場合、必要になる手続きは、以下の通りです。
1)要介護者のケアマネージャーに連絡し現状報告をする。その上で、在宅介護として自宅で酸素吸入がしたい旨を伝える。
2)ケアマネージャーと相談の上、要介護者が住んでいる地域の市区町村の介護担当課に行き、事情を説明し、自宅で酸素吸入するために必要な手続きや在宅医療介護を行っている事業者を紹介してもらう。
3)緊急時対処として自宅に酸素吸入できる設備を仮設する。
4)準備が整った時点で、病院で待機させていた要介護者を自宅に戻す。

 通常、在宅医療介護をする場合、数週間以上の準備期間を経て、病院から自宅に戻るケースがほとんどだと思います。このため、上記の作業をどのくらいの勢いでできるかは、不明です。
また、この場合、同居家族の全面的な支援が必要となります。特に医療機器の監視と担当者への通報・連携などの作業を在宅家族が行うことが出来ないと在宅医療介護は認められないと思われます。同居親族がいない要介護者の場合には恐らく在宅医療介護は難しくなるでしょう。
さらに、自宅に医療設備を設営するためのお金は、個人負担になる部分がかなりあると思います。金銭的な負担についても検討をする必要があるでしょう。
 なお、従前から在宅医療介護を行っていた事業者が現在の緊急事態下でどの様になっているか、不明の部分がかなりあります。新規受付を停止している場合には、要介護者の自宅に酸素吸入などの医療機器を設置することは困難になるでしょう。本来入院加療すべき状況での医療処置なので、認められない可能性があります。

(診察してもらった病院に急変時の受診を事前に了承してもらう)
 入院できない場合、受診後に自宅に戻ることになります。問題は、要介護者の急変時に受け入れてもらえる医療機関が限定されていることです。
 そこで、診察してもらった病院には、要介護者の状態が急変時した場合には受診してもらえる様にお願いしておきましょう。協力が得られた場合には、要介護者の状態が悪化した場合には、電話で受診のお願いをした上で救急車などでその病院に向かいます。
 救急隊には、すでに受診の了解を得たことと病院名を伝えれば、搬送を開始してくれると思います。
 急変時の診察について協力が得られなかった場合には、救急隊と連携して入院できない前提で良いので緊急診察してもらえる病院を探します。

(急変して救急搬送された時点で市区町村に連絡をすること)
 要介護者が急変して病院に救急搬送されたら、介護者は、要介護者の住んでいる市区町村にその旨を急報します。保健所に電話連絡できない場合には、介護担当課に連絡し、情報を転送してもらう非常手段も考慮に入れます。
 保健所や市区町村の介護担当課に急報を入れる理由は、急変した要介護者の入院ベットを確保するためです。救急搬送されてきた要介護者を受診した病院は、満床ですから入院できないでしょう。その場合、要介護者の受け入れベットを確保する必要があります。この作業を受診した病院に押し付けるのは無理があるでしょう。市区町村の介護担当課や保健所を通じて入院ベットを確保してもらう様にお願いして受診した病院の負担を少しでも軽くする様にします。

(まとめ)
 この記事のまとめです。
1)発熱などの症状が出た場合には、出来るだけ早くPCR検査を受けて、陽性陰性の判定を受ける。
2)息が苦しいなどの症状がある場合には、出来るだけ早く発熱外来等で必要な検査を診察を受ける。
3)東京都と周辺地域では、病院は満床状態となっている。救急車を呼ぶ場合には、「入院できないことを了承するので緊急診察だけでもしてほしい」と最初にはっきりと伝えて一刻も早く病院への搬送を行う。
4)在宅医療介護をする前提となる介護支援体制がケアマネージャーと市区町村の介護担当課と連携して構築できるなら、酸素吸入等の医療設備を自宅に仮設して、要介護者を自宅で療養させる。なお、同居親族による支援(時間的、能力的、資金的)も必要となるので、在宅医療介護はできる可能性が低い場合もある。

(最後に)
 この記事は、緊急事態宣言が施行状態にあり、東京都と周辺地域の病院が満床状態になっている条件下での記事です。平時に戻った場合には、通常の救急搬送を行うべきであり、この記事を参考にするべきではありません。

以上

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

新型コロナウイルスに感染する可能性が高い状況チェックリスト [番外編]

(この記事について)
 この記事は、いわゆるコロナ感染症に感染する可能性が高い状況をチェックリスト形式で提供しています。なお、医学的、疫学的な根拠に基づくものではなく、あくまでも報道に基づき、感染者がどのような状況で拡散させたかを推定したものです。


(感染リスクが高い状況順)

*)接触感染、飛沫感染の両方のリスクが非常に高い
1)キャバクラ、ホストクラブ等で飲酒を伴い、従業員から接客を受ける。または接客を行う。
2)知人、友人、仕事関係者と飲酒を伴い、遮蔽物が無く、大声で話をする状態が発生する。
3)飲酒を伴い、二次会、三次会などを行い、多店舗で飲食・飲酒を繰り返す。
4)ホームパーティー等により、同居親族以外の人が複数名と長い時間マスク無しで飲食をする。

*)接触感染、飛沫感染の両方のリスクが高い
5)オフィスの座席が適切な高さの仕切り板で遮蔽されていない。
6)オフィスの空調システムによる空気の交換が十分になされていない。
7)オフィスに適切にマスクを装着しないことがある上長がいる。部下や同僚が注意出来ない。注意しても守れない。
8)トイレに行った際に手洗いをしない人がいる。手洗いを促すように温水式の手洗い器が設置されていない。
9)オフィス、学校等において、昼食や休憩時にマスクを外しておしゃべりが出来る環境になっている。
10)消毒液が一人1台配置されていない。消毒用のスプレー等が部屋の出入り口や主要通路から2メートル以内の場所に設置されていない。
11)営業やコールセンターなどの部署で電話機などを使って発話する作業が必須だが、空調が強制排気型になっていない。

*)接触感染、飛沫感染の両方のリスクが比較的高い
11)満員電車に近い密度の状態になる室内や通路で30分以上滞在しなければならない。
12)発熱している人や具合が悪いと思われる人から2メートル以内の場所から速やかに離脱出来ない。
13)自分の行動として、または職場や教室の近接する人が、トイレに行った際に手洗いをしないことがある。
14)自分の行動として、または職場や教室の近接する人が、目を擦ったり、鼻をほじる、爪を噛む、指を噛むなどのクセがある。
15)同居人以外の複数人でカラオケや合唱を狭い空間で行っている。
16)集団で行うスポーツをマスク無し、安全間隔を確保せずに行っている。

*)思想的に防染対策をしていないケース、予想外の感染源となるケース
17)政府、地方自治体等の呼びかけに対して、「自分だけは違う」といった俺様ルールを適用することがある。
18)マスクや手洗いをすることに対して、自分は協力しない、必要無いと考えている。
19)政府、地方自治体等の呼びかけに対して、同僚や部下に「どうせたいしたことない」などの発言やばかにした行動を冗談でもしたことがある。
20)感染しても病院に行けばなんとかなると思っている。
21)自分のことしか関心が無い。社会全体が感染者が増加しても興味を持っていない。
22)体調が悪くても休みが取れない、申し出がしにくい。隠してしまうような状況になりやすい。
23)感染症対策のルール(リモートワークを含む)が正社員と協力社員(出入り業者)で異なるルールとなっている。

(※コロナルールについて)
 コロナウイルスには、人間社会の忖度(そんたく)は理解できません。つまり、社会的な弱者や盲点、欠陥、欠点を感染しやすいポイントとして感染を広げていると推測されます。つまり、このポイントをジャンプ台にして一気に感染拡大を目指します。例を挙げれば、高齢者が警戒態勢をとったので、今は無警戒な人が多い20代から50代を感染する際の土台にしています。その際には、上記の例示を感染する際のパターンとしていると思われます。
 現在の感染しやすくなった変異株がある程度社会に広がった所で重症化する変異株が登場して、一気に致死性が高いウイルスが猛威をふるうのがウイルス側の戦略では無いか?、と私は推定しています。
そして、致死性の高いウイルスが犠牲者と共に死滅した後、弱毒性のコロナウイルスだけが残存し、インフルエンザのような社会的な位置付けに落ち着いていくと思います。


(最後に)
 今回の新型コロナウイルスが非常に優れている点は、警戒するべき点、すなわち手洗いやマスクの適切な運用というルールを守れない人や今でもなあなあで企業経営(学校運営)している所を狙い撃ちしていることでしょう。
 国会議員が会食にこだわっているようですが、一人でも感染者が混ざっていれば、一気に官僚や政財界に感染が拡大していくことになります。
 病院の満床に伴い、医療従事者がギブアップを宣言した場合、感染拡大が止まらなくなり、コロナルールに従って感染者が増加していくものと思われます。
 今回のコロナ感染症の本当に恐ろしい点は、感染し、発症した場合、かなりの確率で後遺症が残る点です。その後遺症が今後どの程度その人の生活に打撃を与えるか分かっていません。
 この後遺症こそが今回のコロナ騒動の社会的影響の本質だと私は考えています。この後遺症の部分を政府も自治体もなぜ強調していないのか、全容究明に注力しないのか、私には不思議でなりません。
(後遺症についての対処が間に合っていない?)


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

コロナ感染者急増、体育館などのホール施設に臨時救護所(臨時病床)を設置しないの? [番外編]

(この記事について)
 この記事は、都内でのコロナ感染者急増による自宅待機(放置状態)の感染者急増に対する在宅介護危機についての記事です。なお、医学的な見地からの意見では無く、あくまでも個人的な見解です。

(1万人を超える在宅待機のコロナ感染者)
 都内そして、千葉県、神奈川県、埼玉県などの周辺地域では、毎日数千名単位で新規感染者が発生しています。そして、その大部分の人が発熱などの症状がひどくなっても入院出来ない状況となっています。

(在宅待機者が数万人以上になると騒乱の危機)
 感染したのに受診できない在宅待機者が増えると、その分、重症で入院出来ない感染者も急増することになります。そのまま死亡するケースも増えいくことになるでしょう。
 そうなると、重体の患者の同居家族や親族などが実力行使をするようになります。具体的には、クリニック・診療所や近くの総合病院に押しかけるようになることが予想されます。感染者や濃厚接触者が病院で騒ぎ始めれば、騒乱状態となり、武漢の二の舞になります。
 当然、通院中の要介護者や介護家族にも感染するリスクが増大することになります。

(臨時救護所の運用開始を急ぐ必要がある)
 ホテル療養のホテル確保だけでなく、東京ビッグサイト、東京ドームや両国国技館、都内の体育館などを接収して、臨時救護所とする必要があると私は考えます。
 対処人員については、求人募集で集めることになるでしょうが、運用開始の最初の1ヶ月だけは、自衛隊に災害派遣を要請し、あとは警備会社や人材派遣会社などを通じて人員の確保を最優先で対処するしか無いでしょう。
 お台場に日本財団が作った臨時施設も休眠状態のようなので、至急フル活用状態にする必要があるでしょう。

(投薬についても弾力的な運用をする段階)
 ホテル療養、自宅療養、臨時救護所に共通する課題は、発熱などの症状があるのに投薬などの治療が一切行われていないことでしょう。投薬や酸素吸入などについては、特段の処置として、現場の医師だけでなく権限移譲された看護師が処置できるように特例法を制定するか、現行法の非常事態条項を準用して対処する必要があるでしょう。また、患者死亡の場合の医療従事者に対する免責も法的に支援する必要があるでしょう。

(死亡率が跳ね上げると、社会不安になる恐れ)
 現在、感染者数に対する死亡者数は、1%未満になっています。これは適切な医療サービスが受けられるからです。もしも投薬も酸素吸入もできず、在宅待機のまま放置されると、死亡率が急増することになるでしょう。仮に5%が死亡するとしても感染者1万人で500人の死者が発生することになります。
 ちなみに死亡する世代は、感染者数が多い20代から50代が中心になると思われます。(人数が多いために死亡率は低くても死亡者数は増える)

(最後に)
 SNSに満床とか、入院を断ったなどの記述が多く見られるようになって1週間近くになります。そろそろ在宅待機のまま重症化する患者が続発するようになるのでは無いでしょうか?


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

コロナ病床は簡単に増やすことが出来ない、という話。 [番外編]

(この記事について)
 この記事は、新型コロナウイルスに感染した感染者のうち、中等症以上の入院用ベットが増やせない理由を取り上げた記事です。なお、医学的な見地からの意見ではなく、あくまでも個人的な見解です。

(東京都における満床状態)
 2021年1月6日19時45分現在の東京都が発表した資料によれば、東京都内における感染状況は以下の通りとなっています。

入院中:3,090(重症者113)
宿泊療養:924
自宅療養:4,901
入院・療養等調整中:3,516

 現在、コロナ病床として東京都が確保している病床数は、3500床です。患者の平均入院期間を14日としても1日250人の新規患者の受け入れが限界となります。
 東京よりも医療サービスが貧弱な神奈川県、千葉県、埼玉県での患者急増もあり、完全に満床の状態に突入したと判断して良い状態になっています。


(コロナ病床を設置するためにはいろいろな準備が必要)
 コロナ病床を設置するためには、各種報道や資料などから下記のような準備が必要となると予想されます。
1)医療スタッフ(医師、看護師、医療技師等)に対する感染予防(専門教育)の実施。
2)コロナ治療に必要な薬剤、医療機器の設置、増設。
3)医療資材(ベットシーツ、防染衣、医療用マスク、使い捨て医療器具など)。
4)人員の配置。
5)病室、換気装置の工事(感染予防として)。
6)霊安室、遺体保存用冷蔵庫の増設。
7)特別予算の確保。コロナ関連事務担当者の配置。


(通常の病院機能について)
 本題に入る前に病院(第2次救急レベル)の持つ主な機能は、以下の通りです。 
1)外来診察(平日、休日に診察により病気や怪我の状態を診断したり、投薬を処方する)
2)入院治療(経過観察、投薬治療、手術など)。
3)リハビリテーション(体力の回復、筋力の回復を目指す)。
4)救急救命(緊急治療、緊急手術)。
5)検査、解剖、研究部門。

 上記の部門に医師、看護師、医療スタッフ、事務スタッフを配置し、予算と作業場所(病室を含む)を割り当てることで病院として機能を働かせています。


それでは、大きな課題から検討していきたいと思います。


(大戦略の策定)
 まず検討しなければならないのは、感染症に対応出来る医師、看護師を確保できるかどうかです。
 医療スタッフにも専門分野、得意分野があります。感染症についての対処ができる医療関係者を多数確保する必要があります。
 例えば、10病床増やす場合、看護師を8時間勤務4交代としても最低4人できれば6人配置する必要があります。医師も最低1人増やす必要があります。検査や作業支援の医療スタッフも必要です。
 上記の部署から人を移動させると元の部署の業務が過負荷になります。通常診察を中止したり、コロナ以外の入院制限を実施する必要があるでしょう。
 そして、最大の問題は、病室の工事やコロナ関連の医療資材、医療機器の購入代金をどうやって工面するかです。政府や自治体から補助金が出る場合でも条件面を精査する必要があります。赤字のまま、患者のことだけ考えて行動すると、病院が赤字倒産する危険性が出てきます。
 上記にも記載しましたが、遺体保存用冷蔵庫は、特殊用途のために金額も高額ですし、電気代も非常にかかります。患者急増=>遺体急増となる可能性があり、その費用や工事、搬出先との連携も重要となります。


(従来の治療中(療養中)患者の安全確保)
 コロナ患者を受け入れない病院に対して批判する人がいます。しかし、コロナ患者を病院の一部で受け入れる、ということはクラスター感染の確率を高めることになります。
 入院中の患者の多くは、感染症に対する免疫力が低下している場合が多いと思いますので、コロナ患者を受け入れることは大きなリスクを背負うことになります。
 病院内で大規模なクラスター感染が発生した場合の鎮圧方針を具体的に明確に出来なければ、その病院でのコロナ患者の受け入れは難しい、と判断できます。


(他部署からの転任で感染症治療に対処できるのか?)
 十分な訓練期間も訓練機会も無いままで、一般診療や病床管理を行なっていた医師、看護師をいきなりコロナ患者の対処に投入しても良いのか?、という倫理的な問題があります。
 筋を通すなら、座学と実技、検定試験を行なって、コロナ患者に対する対処を適切に行うことが出来ることを確認してから行うべきところです。現場で業務を通して覚える(いわゆるOJT)には、感染するリスク、感染した後の後遺症などのリスクを考慮すると、リスクが大きすぎるでしょう。


(外来診療を中止しても良いのか?)
 一般外来診療を中止したり、制限すると、他の病院の外来診療に患者が殺到するリスクが発生します。また、診断が遅れて病気や怪我がひどくなることも予想されます。
 日本は後期高齢者が急増する直前の状態です。コロナが無くても外来診察を受けたい患者が増加する傾向になっているはずなので、外来診療を制限したり、中止したりした場合、その地域の医療サービスレベルが低下することが予想できます。


(一般入院ベット数を削減してでもコロナ病床を増やすべきか?)
 一般病床を減らして、コロナ病床にする場合、物理的なベットと病室を転用することは工事さえ出来れば、可能でしょう。問題は、対応する医師や看護師を確保できるかです。
 医師、看護師の増員が出来ないなら、一般病床の担当医師や担当看護師を割り当てることになります。しかし、コロナ患者は一般患者よりも看護を手厚くする必要あります。そのため、一般病床をさらに減らして医師、看護師の割り当て分を確保する必要があります。
 極論をすれば、コロナ患者を10人受け入れるなら、15、16人分の一般病床を閉鎖する必要があると推定されます。一般病床を閉鎖しない場合、看護体制が手薄となり、医師・看護師の過負担が激化することになるでしょう。

(一般病床の患者を強制的に退院させることは許されるか?)
 一般病床で入院している患者には、入院不要な人は退院させるべきでしょう。しかし、高齢者の場合、社会的に行き場の無い人を無理に退院させた場合、事件事故に巻き込まれる可能性があります。各地方自治体や老人介護施設とも連携して対処する必要があるでしょう。しかし、コロナ騒動で地方自治体も老人介護施設も疲弊(ひへい)していますので、どこまで連携がうまくいくか疑問です。
 さらに経過観察が必要な一般患者を退院させた後、急変した場合の支援体制がありません。一般患者を犠牲にしてまでコロナ病床を確保するべきかどうかは、十分に検討する必要があるでしょう。


(まとめ)
 「東京都内には、10万病床あり、コロナ病床は3,500病床をさらに増やせばいい!」という意見がSNS上で良く見かけます。雑誌等にもいろいろな立場の方がその旨の発言をしています。
 しかし、現場の病院では、外来診察、一般入院、緊急手術、ICU(コロナ以外)などでも多忙の状態であり、それぞれの病院の財政事情は厳しい場合が多いと思われます。
 そもそも一般病床に関して、現在の病床数を今後数年間で大幅に減らすように厚生労働省が指針を明示しています。わざわざお金をかけてコロナ病床を増やしてもコロナ収束後には、財務的にお荷物になることを分かっている訳ですから病院側が協力出来ないのは、ある意味当然だと思います。もしも厚労省が誤解だと考えるなら、誤解を解くための努力をするべきでしょう。
(厚労省を責めるつもりは無いのですが、政策を実行するタイミングが悪すぎです。)

(最後に)
 自分が病院経営者になったとして、コロナ病床を設置しようとした瞬間に、上記の通り、様々な問題が噴出します。しかも対処に失敗すると、看護師が一斉に離職したり、医師が過労で倒れたりします。さらに赤字がかさめば、病院が倒産することになるでしょう。
 コロナ病床を増やす努力は続けるべきですが、感染者増加を押さえ込むしか方法が無い、と私は考えています。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

医療崩壊とは医療サービスのタイムスリップを意味する、という話 [番外編]

(この記事について)
 この記事は新型コロナ感染者数が増大している中で、医療サービスの機能停止について検討した記事です。

(医療崩壊って何?)
 最近、医療崩壊という言葉がよく使われる様になってきました。年末頃から、満床などのキーワードとともに私はこの言葉を追跡していたのですが、そのまとめをこの記事にします。
 なお、医学的な見地からの意見ではなく、あくまでも一個人としての意見です。

(そもそも病院は今どうなっているか?)
 今、都内の病院の多くは、医療スタッフの人員不足が発生していると推定されます。
 都内のいくつかの病院のホームページには、常に求人募集が張り付いたままになっているからです。
 元々「嫌なら辞めればいい」という業界体質から転職が多い職場が多いために、定常的に離職者が一定数発生する状況になっています。一方で求人に応募する人が激減しているために人員不足が発生しているのでは無いか、と私は推定しています。
 この状況は、コロナ対応病院かどうかはあまり関係無いと思われます。結局、介護している家族や子育て中の子供がいる医療スタッフは、絶対に感染しないための究極の選択として離職していると思います。
 医療スタッフが感染した場合も、労災が無条件で認められるかどうか不明である点や休業補償が約束されていないことも離職を誘発する原因になっているのでは無いか、と想像しています。


(満床では無いけれど、満床とほぼ同じ状況?)
 満床かどうかを取り上げるメディアが増えてきています。しかし、どうも話はそう簡単では無い様です。
 満床になれば、当然、受け入れ拒否となる訳ですが、一部では満床で無くても受け入れ拒否が発生していると思われます。恐らく医療スタッフが足りないためと思われます。
 コロナ対応病床の場合、通常の看護体制では人員が不足するため、通常よりも人員を増やす必要があります。ところが、定常的に人員不足のために現時点で既に人員不足が激化していると思われます。
そうなると、二人分の仕事を一人で行うような超過重労働が発生します。短期間ならなんとかなるでしょうが、数週間その状態なら、過労死や休職に追い込まれます。悪循環の結果、病院機能を大幅に縮小することになるでしょう。

ここから本題です。

(結局、医療崩壊とは?)
 病院が壊れるようなイメージをしている方もいると思いますが、私が推定した結果は、以下の通りです。

「医療崩壊とは、医療サービスにおいて、10年単位で過去にタイムスリップした状態になる」

ということです。以下にその推論結果を記載します。

(医療機器、薬、医療スタッフが足りなくなっていく)
 エクモ(ECMO、体外式膜型人工肺)、人工呼吸装置、アビガン(薬)、腹臥位(ふくがい)療法などいろいろな医療サービスが投入することで、現在、多くの病院ではコロナ患者を救命しています。
 しかし、入院した患者は中等症から重症のため、2、3週間の入院が必要となります。入院の必要な患者が激増すれば、入院出来ずに治療出来ない、ということにつながります。
 
(ICUから徐々に撃沈?)
 現状の推移から推定すると、ICU(集中治療室)などから満床となり、コロナ病床の満床、普通病床の満床となっていくものと推定されます。
 上記にも書きました通り、仮にベットが空いていても医療スタッフの不足が激化するので、人員不足が激化した時点でその病院の新規受け入れは停止することになります。

(少しでも不足状態が発生すると、不足状態は激化しやすい)
 昨年3月頃のマスク騒動や、最近でも人気ゲーム機の供給不足をご存知の方も多いと思います。
 物不足は、不足状態となった時点で激化しやすい特徴を持っています。
 病院の病床不足も同じ構図を持っています。既に老人保健施設でのクラスター感染の際に転送できる病床が不足する事態が散発的に発生しており、恐らく今後本格的にその状態が常態化すると推測されます。
 この状況が発生した場合、中国が武漢で行ったのと同じようにホテルや臨時救護所などをどんどん臨時病床とすることです。

(受けられる医療サービスは昭和60年代ぐらいまで後退する?)
 コロナ感染者の10%が入院治療を必要とした場合でも、上記の通り医療スタッフが十分に確保できない事態が予想されます。また、医療機器や治療薬などの供給も十分に確保できるかどうか不明です。
 その結果、感染者が激増した場合には、とりあえず昭和60年代頃の医療サービス水準まで一気に低下すると予想されます。つまり、30年前の水準ですね。その頃、アビガン(薬)は無かったし、医療機器も今のような高性能なものも無かったです。患者一人当たりの医療スタッフも激減して30年前の医療水準のサービスしか受けられない、となると私は推定しています。


(感染後の死亡率10%に若者は耐えられるか?)
 感染者が毎日2万人発生する状況になると、そのうち、最低10%が入院を必要とする患者になるでしょう。ところが、病院が機能停止していますから在宅療養またはホテル療養することになります。
 この場合、医療水準は、昭和30年代か昭和20年代の水準になります。つまり、投薬無し、医療機器無し、医療スタッフの監視なし、の3無し状態です。
 昭和の初め頃は、救急車もほとんどありませんでしたので、家族が家や職場で倒れると医者が駆けつけて死亡診断書を書いていた、なんて時代がありました。そういう状況になっていくのかもしれません。

 この場合、入院して加療するべき人の多くは死亡することになります。つまり、上記の10%の人の多くは、死亡することになります。
 1日で2万人感染者が発生する状況の場合、2千人/日が適切な治療を受けられずに死亡することなります。仮にこの状態がワクチンの普及前に1年間続いた場合には、以下のような状況になります。

年間感染者数:730万人
年間死亡者数:73万人

 ちなみに米国での現時点での感染者数は2000万人、死者数は34.6万人(出典、google検索、ウキペディア、ニューヨークタイムズ)となっています。米国よりも日本の方が人口密集度が高いはずですから、一旦感染急増が発生すると制御困難になることが推測できます。

 感染力が強くなったウイルスに、拡散力(行動力)がある10代から50代の人たちが次々に感染します。高齢者や持病のある人は警戒態勢をとっているので感染者数の増加は限定的でしょう。
 つまり感染急増の主力は10代から50代の感染した人であり、その10%が死亡する事態となっていきます。


(友人、同僚、同級生、上司、知人、親族が亡くなったら自覚する?)
 50代までで生死に関わる入院をする人はほとんどいません。死にそうな病気になった人もほとんどいません。
 そもそも自分の周りで死ぬ人がいないのが普通だと思います。
 結果として、「今回のコロナ危機について、ピンと来ないのは仕方の無いことだ」と私は思います。
 東日本大震災の際にも大津波を認識していなかった人が大多数だったために被害が大きくなりました。今回も20万人から30万人程度の死者が出るまでは、身近な人が亡くなるまでは、10代から50代の行動を止めない人たちに事態の深刻さが認識されない、と推定されます。


(要介護者を守るためには)
 要介護者を守るために出来ることは、限定的だと思います。
1)厚生労働省が伝えている感染予防策を引き続き行う。
2)感染確率の高い場所(カラオケ店への出入り、キャバクラなどの飲食店など)への出入りはしない。
3)上記の1)、2)を守れない同居家族に対しては、別居するように要求する。

くらいでしょう。家庭内感染が増えているのは、基本的な感染対策を守れない家族がいるためです。感染対策が徹底できない家族が感染した場合の死亡確率が5%かもしれないし、10%、15%かもしれません。この程度の数値だと感染しても構わないと思ってしまうのも無理ありません(性格的なものですから)。ただし、その場合には、別居して要介護者を守る必要があるでしょう。


(最後に)
 「10代から50代の感染者のうち10%が入院できずに死亡する」、というのは、私の推定です。しかし、このインパクトは、企業経営者や地方自治体の首長に衝撃的な事態を招くでしょう。
 もし、この事態が現実化した場合、例えば、ある会社の50人の部署でクラスター感染が発生した場合、5人が死亡し、15人が出社が制限される後遺症で苦しむことになります。当然企業活動は大幅に制限され、事業縮小や業績悪化などに直結することになるでしょう。ちなみに死亡する5人は年齢が高い人の方が確率が高くなりますから、上席者である可能性が高いでしょう。
 米国のように感染者に対する死亡者数が数%に抑え込めれば、事態は軽減できると思いますが、人口密度の高い日本でうまくいくのだろうか?、というのが私の意見です。




nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

認知症の人は、幹線道路(大通り)でうろうろしていることがある話 [番外編]

(この記事について)
 この記事は、認知症の人が街中を自宅に戻らず、何かを探し歩く状態になった時の推察と発見、通報手順をまとめたものです。

(国道357号線を裸足で歩く老女)
 介護も認知症も良く知らなかった頃の経験談です。
 東京から浦安方面には、東京湾沿いに国道357号線という片側2または3車線の大動脈があります。
 この通り沿いには、大きな工場、有名な遊園地、ホテル群、住宅地などがあり、交通量も非常に多いです。

 休日、昼に高速道路を使用せずに車を運転して、東京都から千葉県方面にその大通りを進んでいました。交通量は少なく、制限速度を保ちつつのドライブでした。すると、前方から車道をのそのそと歩く人が見えてきました。そこで、ゆっくりと徐行し、その人の手前10メートルぐらいのところで車を停めました。

 こちらも何が起きたのか?、よく分からない状態でした。よく観察すると、老女で、裸足、不安げな顔をしていました。降車して、話しかけたのですが、話が通じません。そのうち、そのまま再び歩き始めて、後方に歩道寄り(左側道)の車道を歩いて行ってしまいました。

 357号線は、上下線が分離しており、車で引き返すことは出来ません(当然、バックも無理です)。
そこで、110番通報をして、警察の方に対応をお願いして、その場での作業を終了しました。


 その後、同じような事案を現在に至るまで何度も経験し、しかも、介護経験も得たので、以下に対処方法をまとめておきます。この手順で私はいつも警察へ通報しています。

(幹線道路沿いには、認知症の人が歩いていたり、うずくまっていることがある)
 これは、中央分離帯が大きな壁となり、その向こう側に乗り越えることができないためと思われます。
 住宅地や商業地では、左右前後に動けます。しかし、幹線道路では中央分離帯が壁となって道路沿いにしか移動出来なくなります。交差点や横断歩道までの距離が数百メートルから1キロを超える場合には、歩き疲れてしまい、へたり込むのだと思います。

(裸足)
 最初に注目して欲しい点は、裸足かどうかです。裸足で歩くこと自体、相当おかしい状態です。ヨタヨタと歩いている人が裸足なら、疑う必要があります。

(声かけ)
 車道を歩いている、歩道にうずくまっている、など明らかにおかしい行動をしていたら、やさしく声をかけてみます。ちなみに殴られたりしたら面倒なので、2、3メートルぐらい距離をとります。

 「こんにちは、車道を歩くと危ないですよ、何かありましたか?」
 「こんにちは、歩道で座り込んでますけど、何かありましたか?」

って、感じで、やさしい感じになるように声をかけます。
この時に、声がけに相手がちゃんと応対できるか、行動を変えることができるかを見極めます。


(おかしな言動、おかしな行動の継続が確認出来たら、110番通報)
 以下の様な状態なら、110番通報した方が良いでしょう。
例1)幹線道路の車道を歩いている人(恐らく認知症)に声かけしたが、依然として車道を歩き続けている。
例2)幹線道路沿いの歩道でへたり込んでいる(座り込んでいる)人に声かけしたら、立ち上がることが出来ない。
例3)夜中に幹線道路沿いを裸足で歩いている。服装が軽装で季節的におかしい(冬なのに薄着など)。下着だけしか身につけていない。


(自分自身の安全確保も忘れずに実施する)
 車道、歩道に関わらず、都内では自転車が高速で移動していることが多いです。このため、保護対象者だけでなく、保護活動を行うあなた自身が交通事故にあわない様に周囲の状況から安全確保をする必要があります。通行人や近所の人がいる場合には、迷わずに協力を要請します。


(110番通報の際の伝えるべきこと)
 110番通報時に伝えることは以下の通りです。
1)最初に「認知症の疑いがある人を道路上で発見したので保護(確認)して欲しい」と伝える。
2)現在地が分かる目印(電柱、住居表示、店の看板など)があれば伝える。無い場合には、GPS逆探知を要請する。(スマホ、携帯電話等の位置情報を警察側で確認してくれます)
 幹線道路沿いの場合、道路方面(例:北行き、舞浜方面、板橋方面、内回り、外回りなど)も可能なら伝える。
3)保護するべき人の状態と判断に至った理由を伝える。(例:立ち上がれず、会話が成立しない、など)


(警官到着まで10分程度、可能なら保護対象者と同じ場所にいる)
 東京都内(区部と周辺部)なら、交番またはパトカーで到着するまでに約10分程度となります。警官到着まで待機可能なら、保護対象者と同じ場所で待機します。
 待機出来ない場合には、その場を離れることも可能です。(保護活動を強制はできないため)


(注意するべきこと)
 良かれと思っても、やってはいけないことを書いておきます。

1)身体拘束はできない。認知症の人が車道を歩いている場合に、安全を確保した上で歩道に誘導することは許されます。しかし、行動を抑止するために体を押さえつけたりすることは出来ません。相手が暴れた場合、自分も相手も怪我をしてしまいます。あくまでも声かけと接触しない形での誘導(手を広げて、車道を歩くのを阻止)、そして、歩道での追跡、ぐらいまでが可能です。10分で警官が到着しますから、その間は、話しかけることで時間稼ぎする、歩道に誘導して歩く後を追う、という形が良いでしょう。

2)無理に立たせない。座っている相手が立ち上がろうとするが、立ち上げれない場合があります。手を貸しても、再び倒れる危険があります。その場合、転倒時に怪我をする可能性があります。自力で立ち上がれない相手に手を貸してはいけません。その場所の安全を確保することだけに集中し、警官の到着を待ちましょう。なお、多人数がいる場合には、相談の上、安全な場所に誘導し、段に座らせることは検討しても良いと思います。既に頭部に怪我をしている場合や脳梗塞などで転倒したことが疑われる場合には、動かさない様にして、119番または、#7119に連絡して、救急車を呼ぶべき状況か判断を仰ぎましょう。

3)そのまま放置すると、数時間後に事故にあったり、凍死する可能性が高ければ、放置しない。
 座り込んでいるけど、「大丈夫、大丈夫」と言われた場合、あなたならどうしますか? 放置しておけば、いずれ自転車や自動車にひかれて大きな事故になります。
 冬場なら、動けずに凍死するかもしれません。
 不安があるなら、警察に電話するべきでしょう。


(警察も理解しています)
 こんなことで警察に電話すると怒られるのでは無いか?、と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。今は、認知症の方の行方不明が増加傾向にあり、認知症の方の保護活動は、警察官の通常業務になっています。


(警察官が到着したら、引き継ぎをして作業終了)
 警察官が到着したら、後は警察官に対応をお願いして作業完了となります。
特に何か聞かれたりしなけば、その時点で離脱可能です。
友人、知人、親族で無いなら、深入りしてはいけません。


(まとめ)
 この記事のまとめです。
1)幹線道路(大通り)沿いには、昼夜を問わず、認知症の人が車道、歩道を歩いていたり、うずくまっている可能性が高い。
2)裸足だったり、車道を歩いている高齢者を見つけたら、認知症の可能性を疑うべき。
3)声かけしても自力で立ち上がれない場合、季節に反する服装(軽装)、応答がチグハグなら、警察に情報提供するべき。
4)保護活動をするなら、自分と相手の安全確保を慎重に行うこと。
5)警察官が到着したら、作業完了。


(最後に)
 今後、後期高齢者の増加に比例する形で認知症で街中を歩き続ける人が増加することが予想されます。当然、幹線道路沿いで保護される認知症の人が増加することになるでしょう。
 自動車や自転車の運転手であれ、歩行者であれ、幹線道路沿いを通行する際には、高齢者が座り込んでいたり、車道を歩いているかもしれない、と想像する必要がこれからは必須となるでしょう。
 夜間(深夜)は特に注意が必要と思われます。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康
前の10件 | -

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。