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認知症の人は、幹線道路(大通り)でうろうろしていることがある話 [番外編]

(この記事について)
 この記事は、認知症の人が街中を自宅に戻らず、何かを探し歩く状態になった時の推察と発見、通報手順をまとめたものです。

(国道357号線を裸足で歩く老女)
 介護も認知症も良く知らなかった頃の経験談です。
 東京から浦安方面には、東京湾沿いに国道357号線という片側2または3車線の大動脈があります。
 この通り沿いには、大きな工場、有名な遊園地、ホテル群、住宅地などがあり、交通量も非常に多いです。

 休日、昼に高速道路を使用せずに車を運転して、東京都から千葉県方面にその大通りを進んでいました。交通量は少なく、制限速度を保ちつつのドライブでした。すると、前方から車道をのそのそと歩く人が見えてきました。そこで、ゆっくりと徐行し、その人の手前10メートルぐらいのところで車を停めました。

 こちらも何が起きたのか?、よく分からない状態でした。よく観察すると、老女で、裸足、不安げな顔をしていました。降車して、話しかけたのですが、話が通じません。そのうち、そのまま再び歩き始めて、後方に歩道寄り(左側道)の車道を歩いて行ってしまいました。

 357号線は、上下線が分離しており、車で引き返すことは出来ません(当然、バックも無理です)。
そこで、110番通報をして、警察の方に対応をお願いして、その場での作業を終了しました。


 その後、同じような事案を現在に至るまで何度も経験し、しかも、介護経験も得たので、以下に対処方法をまとめておきます。この手順で私はいつも警察へ通報しています。

(幹線道路沿いには、認知症の人が歩いていたり、うずくまっていることがある)
 これは、中央分離帯が大きな壁となり、その向こう側に乗り越えることができないためと思われます。
 住宅地や商業地では、左右前後に動けます。しかし、幹線道路では中央分離帯が壁となって道路沿いにしか移動出来なくなります。交差点や横断歩道までの距離が数百メートルから1キロを超える場合には、歩き疲れてしまい、へたり込むのだと思います。

(裸足)
 最初に注目して欲しい点は、裸足かどうかです。裸足で歩くこと自体、相当おかしい状態です。ヨタヨタと歩いている人が裸足なら、疑う必要があります。

(声かけ)
 車道を歩いている、歩道にうずくまっている、など明らかにおかしい行動をしていたら、やさしく声をかけてみます。ちなみに殴られたりしたら面倒なので、2、3メートルぐらい距離をとります。

 「こんにちは、車道を歩くと危ないですよ、何かありましたか?」
 「こんにちは、歩道で座り込んでますけど、何かありましたか?」

って、感じで、やさしい感じになるように声をかけます。
この時に、声がけに相手がちゃんと応対できるか、行動を変えることができるかを見極めます。


(おかしな言動、おかしな行動の継続が確認出来たら、110番通報)
 以下の様な状態なら、110番通報した方が良いでしょう。
例1)幹線道路の車道を歩いている人(恐らく認知症)に声かけしたが、依然として車道を歩き続けている。
例2)幹線道路沿いの歩道でへたり込んでいる(座り込んでいる)人に声かけしたら、立ち上がることが出来ない。
例3)夜中に幹線道路沿いを裸足で歩いている。服装が軽装で季節的におかしい(冬なのに薄着など)。下着だけしか身につけていない。


(自分自身の安全確保も忘れずに実施する)
 車道、歩道に関わらず、都内では自転車が高速で移動していることが多いです。このため、保護対象者だけでなく、保護活動を行うあなた自身が交通事故にあわない様に周囲の状況から安全確保をする必要があります。通行人や近所の人がいる場合には、迷わずに協力を要請します。


(110番通報の際の伝えるべきこと)
 110番通報時に伝えることは以下の通りです。
1)最初に「認知症の疑いがある人を道路上で発見したので保護(確認)して欲しい」と伝える。
2)現在地が分かる目印(電柱、住居表示、店の看板など)があれば伝える。無い場合には、GPS逆探知を要請する。(スマホ、携帯電話等の位置情報を警察側で確認してくれます)
 幹線道路沿いの場合、道路方面(例:北行き、舞浜方面、板橋方面、内回り、外回りなど)も可能なら伝える。
3)保護するべき人の状態と判断に至った理由を伝える。(例:立ち上がれず、会話が成立しない、など)


(警官到着まで10分程度、可能なら保護対象者と同じ場所にいる)
 東京都内(区部と周辺部)なら、交番またはパトカーで到着するまでに約10分程度となります。警官到着まで待機可能なら、保護対象者と同じ場所で待機します。
 待機出来ない場合には、その場を離れることも可能です。(保護活動を強制はできないため)


(注意するべきこと)
 良かれと思っても、やってはいけないことを書いておきます。

1)身体拘束はできない。認知症の人が車道を歩いている場合に、安全を確保した上で歩道に誘導することは許されます。しかし、行動を抑止するために体を押さえつけたりすることは出来ません。相手が暴れた場合、自分も相手も怪我をしてしまいます。あくまでも声かけと接触しない形での誘導(手を広げて、車道を歩くのを阻止)、そして、歩道での追跡、ぐらいまでが可能です。10分で警官が到着しますから、その間は、話しかけることで時間稼ぎする、歩道に誘導して歩く後を追う、という形が良いでしょう。

2)無理に立たせない。座っている相手が立ち上がろうとするが、立ち上げれない場合があります。手を貸しても、再び倒れる危険があります。その場合、転倒時に怪我をする可能性があります。自力で立ち上がれない相手に手を貸してはいけません。その場所の安全を確保することだけに集中し、警官の到着を待ちましょう。なお、多人数がいる場合には、相談の上、安全な場所に誘導し、段に座らせることは検討しても良いと思います。既に頭部に怪我をしている場合や脳梗塞などで転倒したことが疑われる場合には、動かさない様にして、119番または、#7119に連絡して、救急車を呼ぶべき状況か判断を仰ぎましょう。

3)そのまま放置すると、数時間後に事故にあったり、凍死する可能性が高ければ、放置しない。
 座り込んでいるけど、「大丈夫、大丈夫」と言われた場合、あなたならどうしますか? 放置しておけば、いずれ自転車や自動車にひかれて大きな事故になります。
 冬場なら、動けずに凍死するかもしれません。
 不安があるなら、警察に電話するべきでしょう。


(警察も理解しています)
 こんなことで警察に電話すると怒られるのでは無いか?、と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。今は、認知症の方の行方不明が増加傾向にあり、認知症の方の保護活動は、警察官の通常業務になっています。


(警察官が到着したら、引き継ぎをして作業終了)
 警察官が到着したら、後は警察官に対応をお願いして作業完了となります。
特に何か聞かれたりしなけば、その時点で離脱可能です。
友人、知人、親族で無いなら、深入りしてはいけません。


(まとめ)
 この記事のまとめです。
1)幹線道路(大通り)沿いには、昼夜を問わず、認知症の人が車道、歩道を歩いていたり、うずくまっている可能性が高い。
2)裸足だったり、車道を歩いている高齢者を見つけたら、認知症の可能性を疑うべき。
3)声かけしても自力で立ち上がれない場合、季節に反する服装(軽装)、応答がチグハグなら、警察に情報提供するべき。
4)保護活動をするなら、自分と相手の安全確保を慎重に行うこと。
5)警察官が到着したら、作業完了。


(最後に)
 今後、後期高齢者の増加に比例する形で認知症で街中を歩き続ける人が増加することが予想されます。当然、幹線道路沿いで保護される認知症の人が増加することになるでしょう。
 自動車や自転車の運転手であれ、歩行者であれ、幹線道路沿いを通行する際には、高齢者が座り込んでいたり、車道を歩いているかもしれない、と想像する必要がこれからは必須となるでしょう。
 夜間(深夜)は特に注意が必要と思われます。


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