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入院したら、患者側は医療を拒否できない [入院したら]

 要介護者(介護を受ける人)と生命に関わる状態になった時の医療処置についての話を少しでもしておくことは重要です。実際の現場に遭遇した時に、どこまでなら要介護者の要望が実現できるかを手探りで探ることができるからです。
 大学病院などに緊急搬送された場合、医療チームは、徹底的な医療処置を実行します。
 しかも、もはや回復する(目覚める)見込みがなくても徹底的に実行しようとします。要介護者から「回復の見込みがない時には、無理やり機械で生かしたり、薬を投与したりしないでほしい」、「苦しいのや痛いのは避けてほしい」などの要望を事前に聞いていたとしても、途中で医療処置を止めるのは大変難しくなります。
 例えば、人工呼吸器の使用を開始した後、人工呼吸器を止めることは、患者を窒息させることになります(患者の意識があれば大変苦しいはずです)。このため、医療チームも要介護者の要望だとしても途中で止めることはできません。
 心臓マッサージや大量の薬品投与の結果、臓器のどこかで損傷が発生すると、大量出血が始まり、血圧が低下し始めます。ここで大量に輸血すれば、血圧の低下を緩やかにはできます。しかし、出血が止まるわけではありません。内視鏡カメラ等を使って出血している部位を探すこともできます。しかし、出血部位は別の場所にも拡大する可能性もあり、どこまでやっても解決することは無いでしょう。
 回復の見込みがなくなった時、介護家族者は、意思表示ができなくなった要介護者からの要望を医療チームに伝えなければなりません。
 緊急入院して、要介護者が重体の状態となった場合、数日過ぎた頃、検査結果を検証した医療チームから「もはや回復する(目覚める)見込みはありません」と伝えられます。その時点で要介護者からの事前に伝えられていた医療処置の要望を伝えます。他の親族にも要介護者の要望については事前に連絡しておきます。
 実際にどの医療処置を実行し、どの医療処置を実行しない(中止する)かは、医療チームが法律的な見地からも検討した上で判断することになります。また、患者家族に対しては、消極的な医療への移行前に同意書へのサインを求められます。
 介護家族者は、その後、医療チームの実施している医療処置について報告を受け、要介護者の要望にできるだけ沿うように誘導していきます。
 ここで非常に精神的に苦しくなる点は、要介護者の要望と家族(親族)の要望は必ずしも一致しないことです。先ほどの要介護者の要望「無理な医療処置は望まない、苦しいのや痛いのはイヤ」という気持ちと「どんな形でもいいから、一日でも長く生きて欲しい」と思う家族の気持ちは、ぶつかります。介護家族者の辛いのは、この二つの気持ちを持ちつつ、自分の役割を認識しなければならないからです。
 介護家族者の役割は、要介護者の要望をできるだけ正確に迅速に医療チームに伝え、その要望にできるだけ実際の医療を近づけることです。
 介護家族者は要介護者の要望を実現するために、自分の感情や思いを断ち切って、要介護者の最後の願いを実現させるために行動します。

(電子書籍「介護はプロジェクト」から一部抜粋)

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介護はプロジェクト: 在宅介護で最後まで過ごすための知恵と勇気

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入院したら、どんな医療処置を望むか [入院したら]

 要介護者(介護を受ける人)が入院した時にどこまでの医療処置を望むかを尋ねるのは、無理だと思います。精神的に弱っている状態の時に追い打ちになりかねないからです。
 どこまでの医療処置を望むかを尋ねる目的は、本当に生死の境になった時にどこまでも医療処置を希望するのか、どこかで医療処置を止めるのか、を介護家族者(介護をする人)が決定しないといけないからです。しかし、要介護者の本当の要望を知らなければ対応できません。
 高齢者によっては、無理な医療処置を望まないことを明確に希望する方もいるようです。ただし、家族に対して実際に意思表示されている方は少ないようです。
 要介護者の性格や日頃の言動も考慮に入れて、精神的なダメージがないと判断できる時に尋ねるのが良いでしょう。
 病気が治ったり、病気が安定して、退院が決まったら、雑談の中で尋ねてみても良いかもしれません。また、退院してしばらくしてから尋ねても良いかもしれません。芸能人が亡くなった時などに「自分がこの状態になったらどうしてほしい?」といった形で尋ねても良いかもしれません。
 ある程度、考え方が固まっている場合には、少しだけ話を振ると話してくれると思います。
 なお、状況や気持ちの変化で希望内容が変化することもあります。希望内容に変化が無いかを機嫌が良い時に年に1〜2回、軽く尋ねてみます。
 最近は、書面にまとめている高齢者もいるそうです。もしも要介護者がすでに書面を作成している場合には、必ずコピーをもらいます。そして、その書面に緊急時に発生する医療処置が全て記載されているかを確認します。記載不備があれば、要介護者と相談の上、追加記載します。この作業も 機嫌が良い時に年に1回ぐらい変更がないか確認します。

(電子書籍「介護はプロジェクト」から一部抜粋)

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入院したら、再入院に備える [入院したら]

 要介護者(介護を受ける人)が入院中に準備しておくことの一つに、再び緊急搬送されることになった場合に、現在入院中の病院を緊急搬送先として指定できるかどうかです。
 要介護者のカルテが既にある病院が再び緊急搬送先となった方が都合が良いことが多いです。担当した医師や看護師が前回の症状を覚えていて対応が迅速になることが期待できるからです。通院先に入院した場合には、通院中の医師とも連携が取りやすいでしょう。
 以下の質問は、要介護者が同席していない時に担当医師に尋ねてください。その理由は要介護者を不安にさせる恐れがあるからです。
 要介護者の担当医師からの退院前の説明の際に、退院後に容態が急変した場合の対応を確認します。どのような症状が予想されるか(再発するか)を尋ねます。
 急変についての説明を聞いた上で、救急車での緊急搬送先として現病院を指定しても良いかを尋ねてください。無条件で許可される場合と条件付きで許可される場合と断られる場合があります。
 病院側も医者不足・看護師不足などの理由で休日・夜間の緊急受け入れを断るケースがあります。その場合には、他の病院で休日・夜間の受け入れ可能病院を事前に探しておきます。
 高齢者の場合、一つの症状から色々な病気に発展するケースがあります。
 例えば、心臓の不整脈、血液の塊、脳梗塞、動脈閉塞症、心筋梗塞などの流れの予想がつくなら、脳梗塞なら神経内科のある緊急病院、心筋梗塞なら循環器科のある緊急病院などと事前に調べておくことも可能となります。
 医師は客観的な事実については、かなり詳細に説明してくれます。一方で、今後の予想される病状や新たに発生する可能性のある病気についての説明は、あまり積極的ではありません。おそらく、客観的な根拠が少ないからです。また、専門以外の病気や症状については責任が持てないからだと思います。
 患者家族としてある程度予想を立てて、担当医師には、「今後起きる緊急事態に対して、できるだけ準備したいので協力してほしい」とお願いして予想される病気や症状について聞き出しておくと良いでしょう。特に救急車を呼ぶかどうかの判断基準になるような具体的な症状(どういう症状が出たら救急車を呼ぶべきか)について聞き出せれば、緊急事態時に役に立つでしょう。

(電子書籍「介護はプロジェクト」から一部抜粋)

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入院したら、退院前に介護サービスの再検討をする [入院したら]

 要介護者(介護を受ける人)の症状が安定したら、ケアマネージャーと相談して介護サービスの内容について検討を行います。
 明らかに身体的な状態が変化した時には、要介護度を適正にするために区分変更などの手続きをケアマネージャーと相談しながら決めていきます。そして、要介護度の変更の可否を確認した上で追加の介護サービスを検討します。
 今までと同じ状態に回復した場合でも、追加可能な介護サービスについて検討します。
 自宅の整理、介護用品の手配・設置、介護サービスを行う要員の手配、介護サービスの追加契約などの作業を行った後、退院日の最終確定を行います。

(電子書籍「介護はプロジェクト」から一部抜粋)

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入院したら、退院のタイミング [入院したら]

 要介護者(介護を受ける人)が高齢者の場合、どう頑張っても病気や症状が残ってしまい、完治するまでといった条件では退院が2ヶ月ではできなくなるケースが多いです。緊急入院した病院では普通、2ヶ月経過すると転院を求められます。
 要介護者も自宅に帰ることをより一層強く主張するようです。たぶん、自分の体力が衰えてきていることを感じるからだと思います。
 要介護者を自宅に戻しても、すぐにまた病院に緊急搬送されたのでは意味がありません。そこで、基準を作る必要があります。
 要介護者がトイレ(ポータブルトイレも可)に行き、自分で用便を済ませることができるのなら、在宅介護に戻れる可能性が高くなります。また、担当医師から入院した時の病気や怪我が一定の範囲で治り、これ以上はあまり変化しない状態になったとの説明を受けた場合には、帰宅できる可能性が出てきます。
 要介護者の帰宅前に、在宅介護の体制を強化する必要があるか判断します。判断は、ケアマネージャーと介護家族者が十分に相談して結論を出します。
 退院後の在宅介護の体制が整ったら、退院に向けて担当医師、要介護者、介護家族者(介護をする人)の三者で協議することになります。
 要介護者が帰宅を強く望んでいて、かつ、要介護者の体力が低下しつつあるのであれば、本人の希望を優先するべきかどうかを介護家族者は決断しなければなりません。
 病院に留め置いた場合、自宅へ戻る希望を実現できずに一生を病院で終えることになる可能性があります。
 自宅に戻った時には、本人の希望であり、本人は喜ぶでしょう。しかし、要介護者の容態が急変した時点で一生を終えることになるかもしれません。
 介護家族者の肉体的・精神的な状態も重要です。介護家族者が疲弊しているなら、要介護者の入院を継続してもらい、介護家族者の健康状態が回復するまで待つ必要があります。
  退院するか入院を継続するかは、介護家族者が決定することになります。いずれにせよ、担当医師は介護家族者の判断を尊重すると思います。

(電子書籍「介護はプロジェクト」から一部抜粋)

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入院したら、面会は細かく [入院したら]

 要介護者(介護を受ける人)が入院した時、要介護者は在宅時と異なり、ほとんどの日常作業を取り上げられてしまいます。病室は白系統の壁やカーテンで仕切られ、情報も在宅時ほど入ってこなくなります。
 私の経験としてですが、入院すると要介護者の認知機能が低下したり、要介護者の動作が緩慢になったりするのではないかと思っています。
 要介護者が入院した時に介護家族者(介護する人)が考えておくべきことは、要介護者が病院を退院した後のことです。多くの場合、再び在宅介護に戻ることになるのですが、そのための介護体制を再構築しなければなりません。要介護者の状態が悪化した場合、在宅介護を諦めるケースもあります。
 在宅介護に再び戻るためには、 要介護者の状態悪化を防ぐ必要があります。そのためには、面会回数を増やして要介護者の状態変化を見極める必要があります。
 要介護者の認知機能が低下したり、動作が緩慢になるとそれまでの介護体制では難しくなる場合があるからです。
 要介護者の状態を把握し、認知機能の低下を防ぐには、介護家族者はできるだけ細かい頻度で要介護者の面会を実施する方が望ましいです。忙しい日でも5分だけでも顔を出せば、要介護者は安心します。

(中略)

 私の経験的には、病院の夕食の時間帯に訪問すると、看護師さん達から歓迎されました。看護師さん達からすると、母の夕食前後の面倒を家族が見てくれるからだと思います。私も自分で母の面倒を見て状態を確認できるので安心できました。また、母や看護師さんとの情報交換が容易になるので都合が良かったです。
 要介護者の入院中は、介護家族者は在宅介護とは別の作業が発生し、生活のバランスが崩れやすくなります。介護家族者は介護作業量をある程度減らして、この時期に休息する時間(昼寝でも良い)を確保します。

(電子書籍「介護はプロジェクト」から一部抜粋)

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入院したら、病院側に協力する [入院したら]

 要介護者(介護を受ける人)の健康状態が悪くなって入院すると、病棟で担当看護師と入院のための手続きを進めることになります。
 現在服用している薬に関して、服用状況について気がついた点があればここで病院側に説明します。
 過去の入院時の記録(記憶)から、入院にあたって要介護者が不安になって通常とは異なる行動(徘徊・恐怖・大声など)が予想される時には、その内容を説明します。
 入院時の病棟での担当看護師との面談の際に要介護者の注意すべき点をまとめて説明できるようにしておきます。まとめて説明すれば、入院後のトラブルや事故を防ぐ上で役に立つでしょう。
 過去の資料などを見直して追加の情報の点検を行います。追加情報は、次回の病棟訪問時に担当看護師に伝えます。

(電子書籍「介護はプロジェクト」から一部抜粋)

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